2020年7月
30日
庭に放置していた青のバケツ。
そこに雨水が溜まり、落ちた葉が沈殿し、日が差し、藻が繁殖し、気が付けば一つの生命ゾーンを形成していた。
覗き込めば、そこにはいろいろな生命が満ち溢れている。
ミジンコ、ボウフラ、その他名も知らぬうごめきに混じって超小型カタツムリのような貝類まで多種多様だ。
一体彼らはどうやってこの空間に進出してきたのか?
ボウフラに関しては蚊が卵を産み付けたのだろうと理解できるが、昨年に産んだ卵が冬を越して孵化したということか。
ここまでずいぶんとバケツを放置したものだが、もともと我が家の狭い庭いじりは専らおやじがしていたのであって、俺はノータッチだ。
鳥が運んできたのであろう種も初夏を迎え、野菊やらが綺麗に咲いている。
全く手入れがなされていないので一見草ぼうぼうだが、俺はこれはこれで野趣があっていいと思っている。
手入れの一つもしてやればいいのだろうが、介護であれこれ時間を取られてそこまで手が回らない。
ボウフラを羽化させたくないのでボケツの水を捨てたいところだが、それをやってしまうと我が家の庭に生まれた小宇宙にハルマゲドンを起こすことになる。
よって、たまにピンセットでクネクネと動くボウフラだけをつまんで追い出している今日このごろ。
23日
ドラマで関東人などが役柄で関西弁を話しているとネイティブな大阪人として違和感を感じることが少なくないが、それ以上に違和感を感じるのが祇園の芸子が話す無理矢理な京都弁だ。
途中までは標準語のようで、言葉尻に「~どすなあ」を付け足して無理矢理京都弁に仕立てている。
否定文のときは末尾が
「~やおへん」
とななる。
これに京都ではYes/Noの両方の意味を持つ
「おおきに」
の計三つだけでかなり強引ではあるが日常会話レベルの京都弁が話せる。
新人舞子見習い話す京都弁がこれに近いものであり、その違和感たるや著しい。
もっとも、つい半年前まではどこか地方の高校生だったはずで、いきなり他の土地の言葉を話せと言われても無理な話だ。
ここで京都弁とは言っているが、彼女たちの話し言葉は花街のみで用いられるもので、いまどき、
「~どすなあ」
などと喋る京都人は皆無ではないだろうが、ほぼいない。
この先百年経とうが舞子の仕事服が着物であることは絶対に変わらないのと同様、彼女たちがお座敷で、
「~じゃん」
などと喋ることも120%あり得ない。
それを伝統という。
最初はつたないながらも、頑張って伝統を紡いで欲しいと思う。
16日
過去、いろいろな酒場で飲み食いした。
美味しい料理や忘れがたい店主の店はあちこち思い出されるが、店の喧噪それ自体が酒の肴になるという意味において唯一無二の店がある。
こんな店は俺の知る限りにおいて大阪にもなければ東京にもなく、その他全国どこにもなかった。
秋吉という全国焼き鳥チェーンの福井片町店がそれだ。
当雑記で以前既に紹介した記憶があるが、この店の喧噪がいわく忘れがたい。
「ドリンクさん」「焼き場さん」等々、
この店特有のオーダーの通し声が、ほとんど常に満席の客の会話やら、炭火の炎やらと相まって他の店では感じられない独特の喧噪を醸し出している。
よって、寂しがり屋な性格であればとても一人では飲めないような賑やかな店だが、俺のように孤独もまた楽しと思えるのであれば、喧噪を楽しみながら一人ちびちび飲める。
毎年末のそんな秋吉片町店通いが途切れた。
店の喧噪とニンニクダレを付けて食べるシロの味が最近ふと懐かしく思い出される。
今年の年末は行けるだろうか?
しかしながら、行けるとなれば親父はもういないということになるので、思い出している場合でもないな。
まあ、いつかまた。
9日
久しぶりに鶴橋へ行った。
この日のミッションは8つ。
・鶴橋の街を歩くこと
・山亀商店のキムチを買うこと
・キンパプを買うこと
・キムチサンドを買うこと
・チャプチェを買うこと
・鰻を買うこと
・岩牡蠣を食べること
・焼き肉吉田で食事すること
うち2つは叶わなかったが、久しぶりに鶴橋の雰囲気と焼肉を満喫した。
今年は親父の介護で敦賀や舞鶴に岩牡蛎を食べに行くことができないので、その代わりとして魚屋の店頭で売られている岩牡蛎を剥いてもらってその場で食べるつもりだったが、まだ時期が早いとのこと。
現地で食べるよりも鮮度は落ちるものの、大きな岩牡蛎を1個500円程度で食べることができるので重宝している。
現地だと倍の値段はするな。
また牡蛎目当てに鶴橋へ行くことになるだろう。
2日
市から20万円の支給が確定しましたとの通知が届いた。
よって、入金前だが先に20万円を引き出して別財布にしまい、予定通り贅沢食費に充てる準備をした。
そして俺が真っ先に行った贅沢、それはストレートタイプのめんつゆを買うこと。
以前雑記にも書いたと思うが、俺はめんつゆは4倍のやつしか買わない。
だってそうだろ?
値段がほぼ同じであればストレートより4倍を選ぶだろ?
たかだが200円以下の品だが、俺にとってストレートつゆは贅沢品の範疇に入る。
なのでストレートそうめんつゆを贅沢品第一弾として買ってみた。
確かに4倍で割っためんつゆより美味しい。
俺はすっかりストレートつゆが気に入ってしまい、毎日、冷や奴にかけて食べている。
これがまた冷酒によく合う。
みょうがでも乗せれば自宅に居ながらにしてちょっとした料亭レベルの肴となる。
こうしてその良さを認識したので、今後は贅沢品ではなく普通品として俺はストレートそうめんつゆを買い続けるだろう。
次はストレートそばつゆを買うつもり。