M女は強し

これは俺が一晩に5回は射精できた頃の話。

当時、俺はある人妻M女と深い仲にあった。

彼女の夫は某公益団体の職員で、ひっきりなしに全国仕事に飛び回り、よって彼女は週末になると俺を家に招待してくれた。

そこは公益団体から当てがわれた妻帯者用マンションで、月1万円の家賃とは思えぬ豪華な居住だった。

俺にしてみればそこはちょっとした非日常空間であり、彼女がとても料理上手であったことと中出しOK、ちゅうか子供ができない体だそうでむしろ彼女が中出し熱望、ということもあり、美味しい手料理とSMの技術向上と中出しの誘惑に耐えきれず、週末ともなればほとんど毎週彼女の部屋に入り浸っていた。

今思えば随分ただれた時間だったが、体力全盛の俺にしてみれば、性欲と食欲が同時に深く満たされる快楽は何物にも代え難かった。

そんなある夜のこと、深夜に一本の電話が鳴った。

無視した。

またしつこく鳴った。

彼女は直感でそれが夫からの電話だと悟ったようである。

「私、電話に出なきゃ」

彼女はそう言った。

しかし、その時彼女は麻縄でギチギチに縛られて手が自由にならない。

よって俺は電話機を彼女の元までたぐり寄せて受話器を取ってやり、彼女の耳と口に当ててやった。

するとどうだ。

ほんの今しがたまで甘くよがっていた女が、ごく普通の素の声で夫と会話しているではないか。

しかも縛られたままである。

俺はこの瞬間にM女のしたたかさ、強さ、怖さを全て見たような気がした。

未だ忘れ難い出来事である。

彼女との関係はその後もしばらく続いたが、そのうち引っ越してしまい、それっきりとなった。

「どんなに華奢に見えてもM女はしたたかなのよ。どうぞお気を付け遊ばせ」

と、あの夜彼女は俺に教えてくれたような気がする。

このサイトが長きに渡って継続できているのは彼女の教訓なしにあり得ない。

若き日の俺の食欲と性欲の全てを受け止めてくれた彼女に深く感謝。

shadow

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