29日
滅多に食べないものの日清焼きそばUFOが好物だ。だが驚いたことに東京ではテヤングの方が売り上げが上なのだな。大阪ではUFOはどこのスーパーでも手に入るが、テヤングとなるとなかなか売ってないのが現実だ。これが北海道になると焼きそば弁当がダントツの一位だそうで、大阪では入手不可能といってよい。大阪にはご当地カップ焼きそばがないのは粉モンの本場にしては意外なことだ。幻の焼きそばと言われている千葉県調子のアラビアン焼きそばを一度食べてみたい。かなり美味しいらしいのだが、なんでも遠洋漁業の船員が大量に買い込んで行くのでしょっちゅう品切れなんだそうだ。最近縦型の金ちゃん焼きそばも復活したが、あれも旨いな。俺がまだ10代の頃、スキー場のゲレンデで知り合った女性たちが夜中に「UFO食べたい、食べさせてくれたら口説かれてもいい」などと言ったので男数名が雪の中を車で買いに走ったが、帰ってきたら朝だったのは今となってはいい思い出だ。
25日
王監督の引退は本当に残念だが、手術後のかなり痩せた体躯を見るにつれそれも仕方のないことか。俺は特にホークスのファンではないが、「王監督今までありがとうございました」と思わずにはいられないところにその偉大さがある。俺的にスポーツ選手の中でも王貞治、長嶋茂雄、アントニオ猪木は別格の位置にあるが、これであと元気なのは猪木だけになってしまった。猪木にもいつか老後は来ようが、そうなってもこの三人はただ同じ時代を生きてくれているだけでいい。野球にせよサッカーにせよオリンピックにせよスター選手は次々に現れてはいるが、国民皆に愛される大の付くスターはなかなか誕生しないようだ。野球で言えば成績の点ではイチローなど文句なしだが、残念ながら記録だけの選手で終わりそうだ。新庄などはその資質有りだったが、何分成績が並で終わってしまった。そう思えば王と長嶋が並んだON打線は球界の奇跡であり時代の奇跡でもある。プロ野球も地元色が濃厚になりパリーグもずいぶんと客が入るようにはなったが、球界全体が盛り上がっているかといえばそうでもない。ただ単に日ごろの鬱憤を試合の応援で発散させているに過ぎない、ように見える。こんなときにこそ自チームのみではなく球界全体を照らしてくれる選手の出現こそ望む。
22日
最近、珍味中の珍味ともいえるノドグロの肝刺しを食べる機会があった。ノドグロ自体高級魚で家庭の食卓に登場することなどまず無いが、更にその肝刺しを食べたのだからちょっと自慢できる。味は良く言えば上品、悪く言えば物足りない、肝特有のコクがない。やはり肝はアンコウに尽きるようだ。アンコウより美味い肝もあるだろうが、俺が食べた肝の中ではそうだった。ネットリとした感じが最も強く、コクがあり、そして安い。鶴橋の公設市場へ行けば千円札一枚で肝と共に大量のアンコウの身が買える。俺はそれでアンコウ鍋ならぬ「アンコウだけ鍋」にして食べる。野菜も何も入れずに具はアンコウの身と肝だけで、それを気に入ったポン酢で食べる。野菜と一緒に食べていてはどうしてもアンコウが余るので始めた食べ方だが、たった千円にしてかなり贅沢な鍋となる。最後は煮汁を煮詰めてから塩味の雑炊にする。アンコウのコラーゲンの多さと相まってトロトロの極上雑炊だ。女性には是非すすめたい。
18日
久しぶりに心底面白い本に出会った。酔った心地良さで布団に横になり、さて寝ようかと思ったときになぜかamazonから届いた箱が目に入り、なぜかその箱を空け、なぜか適当に一冊取り出して読み始めた。北方謙三の水滸伝だ。結果、もう寝なくてはもう寝なくてはを幾度も繰り返し、ついぞ夜明けを迎えてしまった。北方謙三はいつのまにこれだけ筆力が上がったのだ?くどくどした小難しい表現は何一つなく、質素な文章にして極めて味わい深いものになっている。俺が小説の達人として思い浮かぶのは池波正太郎だが、それに近ずきつつあるように思う。北方謙三といえばハードボイルド出身なだけに名前を聞いただけで遠慮する女性も多いだろうが、北方版水滸伝は老若男女誰にでも文句なしにおすすめしたい。俺はまだ一巻しか読んでいないが、二巻以降もよもや間違いはないはずである。全19巻あるので実に嬉しいことだが、全巻揃えれば代金はいいとして置き場がないのは困りものだ。誰か持っていれば貸してもらうのが一番ありがたいのだがな。
17日
料理番組でやっていたイカを使った一品を作ってみたのだが、これが大失敗。イカのゲソと白ねぎ、タマネギを炒めてイカのわたで味付けし、本体に詰めて炒めるという一品なのだが、切ったときにTVの様に美しい断面にならずに中身が飛び出してしまうのだ。あの説明では誰しも俺のようになるのがオチではないのか。最も、味の方はイカわたのコクが効いて美味しかったので、次回からは単純にイカと白ねぎのわた炒めを作ってみようと思う。これからしばらくはスルメイカなら一杯100円程度で買えるので、大いに食卓を賑わすことになるだろう。次回はイカでパスタをやるつもり。今時のイカスミのパスタは歯が真っ黒にならぬよう予め麺にスミが練り込んであるが、家でやれば昔ながらのお歯黒パスタになるものの、こっちの方が遙かに美味いな。
16日
栗拾いは全く時期が早過ぎたようで、あまりにも型が小さく結局一つも取らずに帰ってきた。栗拾いに行って一つも取れなかったのは悲劇には違いないだろうが、別に二人ともそれはどうでも良かった。友とたわいもないことを話しながら自然の中をのんびり歩くことこそ最高の贅沢だ。弁当もなしに5時間程歩いたので、帰ってきてからの焼き肉の美味かったことこの上ない。この日はビールばかりか焼き肉までもが五臓六腑に染みた。朝は雨だったが持ち合わせの頃には太陽も顔を出してくれたので、本当にいい一日だったな。
10日
男でも女でも、酒でも料理でも、最初は75点くらいがちょうどいい。最初から満点というのは意外に飽きが早かったり短命に終わる。多少の物足りなさこそが実は大いなる深みとなる。食べもので言えばざる蕎麦。このシンプルサこそ究極の一品なり。ざる蕎麦に海苔を散らせばもり蕎麦ということになるが、そんなことはしちゃいけない。つゆの味が持っていかれる。うずら卵もしかり。わさびは立派に公認されているが俺は特に要らないと思う。ベースがしっかりと出来ているならば余分なものは要らない。いい女も、いい料理も、シンプルなときにこそ最も輝く。
9日
土曜は天気が悪くなければ保津峡へ栗拾いに出かける予定だ。男二人の栗拾いなど他から見れば気持ち悪いというか不気味かもしれないが、当人にしてみれば親友同士なので、水尾川のせせらぎを聞きながらのんびりだらだら歩く休日は実に贅沢な時間となる。これからの時期あの辺りを散歩すると栗やらどんぐりやらが勝手に道ばたに転がっているので、それを回収しながら散歩するわけだ。さらに量が欲しければ木れっぱしでもって枝を揺すれば上からジャンジャン落ちてくる。俺は剥くのが面倒という理由で少しあればいいし、もともと栗ご飯や豆ご飯は甘くておやつのようなので口にしない。よって栗拾いとは言っているが、俺にとっては初秋を存分に感じることこそが一番の楽しみだ。大阪の街中においてもふと秋を感じる瞬間があるくらいなので、保津峡に行けば辺り一面秋だらけといった具合を期待している。
8日
アンジェラ・アキのコンサートはとても良かった。TVで聞こえてくるそれよりも、生の方が遙かに歌が上手い。やはり弾き語りをやるようなミュージシャンはライブで聞くに限るな。一番盛り上がったのはスペシャルゲストとして食い倒れ太郎が登場したところ。アンコールは意外にも一回だけだったが、みんなそれがわかっていたようで、彼女のいつものスタンスなのだろう。アンコールといえば思い出されるのはフェスティバルホールで行われた坂本龍一のピアノソロコンサートだ。会場の電気が点いてもしつこく拍手を続けていると客が半分程帰ったところで3回目のアンコールに出てきた。その後も拍手に応えること4回、合計7回のアンコール演奏が行われた。坂本龍一といえばクールな人かと思いきや、意外に熱い一面もあるようだ。あるいはこの日、相当に機嫌が良かったのか。俺が今まで観に行ったコンサートの中で堂々の最多アンコール回数である。
4日
夏のクソ暑い時期にこういう話も何だが、唐突におでんは最後に残る汁こそが一番のご馳走であると断言したい。よもやあの残り汁を捨ててしまっている人はいるまいな?特に我が家は男二人にして炊き出し鍋で大量におでんを作るので、それが必然的に三日目に突入すると、もうその汁はプロ級の深い味わいを醸し出している。俺はそれを最後の平天なんかと共に飯にぶっかけて食うのが好きだ。最高に旨い。具がなければ汁だけかけて桃屋のザーサイで食べる。これ最高の組み合わせだ。汁が多めに余ったときは中華そばも美味しい。チャーシューの代わりに入れるチクワや平天も妙に美味しいが、後はごちゃごちゃ入れずに青ねぎだけでよろしい。おでんと同様に言えるのが、鴨南蛮だ。肉などどうでもよい。鴨の油が溶け出して甘くなったつゆこそが一番の値打ちなのだ。つゆを残すなら鴨南蛮など注文するなと言いたい。反面、積極的につゆを残していいのはインスタントラーメンだな。たまにやむなく食べるはめになったとき、あるいは、たまに無性に食べたくなって口にするとき、できるだけ汁は飲まないようにする。しかしこれをエコロジーの観点から考えれば流しに捨てられたのと同量の残り汁を浄化するにはその5倍の真水が必要であるというから話はややこしい。正しい捨て方は流しではなく凝固剤で固めてから燃えるゴミ行きだそうだ。何と面倒な。というわけで、結局インスタントラーメンの汁も飲み干すことが多い。ま、たまに食うと妙に美味いのでつい飲んでしまうといいうのが実のところだが。
2日
今回の如く東京へ行ったならば食わねば損とばかりにあちこちの店を回ったりするが、これが大阪京都となるとどうも自分の行き慣れた店ばかり行く傾向にある。いつでも行ける精神で得てしてそんなものだろうか。行きたい店はたくさんあるのだがな。けれども、結局俺の経験上食べ回ったところで期待外れの店の方が圧倒的に多いので、これならいつもの店に行けば良かった、となる。まあ10軒食べ歩いて1,2軒気に入った店が見つかればいい方だろうか。反面、近所の店は例え琴線に触れずとも店のやる気が感じられれば応援するようにしている。俺にとっては遠くの五つ星よりも近くの三ツ星というわけだ。縁あって近所に出店してくれたのだから、できるだけ商ってもらいたいと思う。今年、近所の住宅街に突如としてインド料理屋が登場した。食べてみればここよりも美味いインド料理の店を複数知っているが、近所というのとフロアを担当しているインド人の奥さんがとても明るいという理由で月に2,3度は食べに行っている。同様にして近所の大して美味しいとは思わない中華料理屋やお好み焼き屋にも顔を出す。ただし、ファーストフードのチェーン店は完全無視だ。勝手にやってくれといった心境。駅前に自家挽きのそば粉も売るような凝った蕎麦屋ができた。ざるを手繰っていると、店主の母親らしき老女が店のフロアを担当しているだが、息子らしい主人が母親のことを「おまえ!」と怒鳴っているのを聞いて二度と店には行っていない。自分の母親を客の前でおまえと怒鳴る人間に一体どんな料理が作れるというのだ。近所で最も長く通っているのは駅前にある阪急蕎麦だろうか。昔は値段が安くて子供の小遣いでも食べられたのでかれこれ20年超になる。ただし、チェーン店なのであまり愛着がないのが残念だ。その次に長いのは餃子の王将かな。関西の男には王将歴20年超はあちこちにゴロゴロいるはずだ。
1日
今週日曜は楽しみにしていたアンジェラ・アキのコンサートだが、なかなかきついスケジュールとなってしまった。というのも前日深夜、ちゅうか当日早朝の3時10分からワールドカップアジア最終予選の中継があるからだ。見なければ済む話なのだが、見たいものは見たい。皆も見るだろ?おまけにその夜は広島にいる予定で、ろくに寝ぬまま翌日尾道を散歩してそのまま城ホールに向かう予定。前回東京でもオリンピック野球日本代表の中継と連日見事に重なってしまったし、どうもせっかくの旅行だというのに運がない。とはいえ、とても楽しいコンサートが予想されるので疲れなど感じないとは思うが。これがクラシックなら会場で確実に寝ているだろうな。そもそもこの広島行きは今期で最後となる広島市民球場の雄志を週末の阪神戦で見納めようという腹だ。しっかり瞼に焼き付けてこようと思う。ついでに球場名物肉うどんもな。どうか週末雨だけは降らないでくれ。
翌月の雑記へ