30日
しまなみ街道について、昨今では国内のみならず海外からも多くサイクリストがやって来るとは聞いていた。
しかし、俺が行った時はその直前まで断水しており、島々はガラガラの状態だった。
宿の主人に聞いたのだが、しまなみ街道の島々は本州または四国からパイプラインで水を引き込んでおり、そのパイプラインがやられて断水になってしまったそうだ。
俺は断水のことなど全く考慮せずに島に向かったのだが、他の客からはことごとく宿泊キャンセルがあったという。
おかげで復旧直後の空いている島々を楽しめたわけで、あまり外向的とも言えぬ俺だが、先方も客恋しかったのか居酒屋の主人にいろいろ話し掛けられてつい長居してしまった。
「最近はサイクリストで島々も賑わっているのでは?」と問えば、意外にも「そうとも言えない」とのこと。
特に日本人のサイクリストはまるで競輪選手のように島々を一気に駆け抜け、尾道ないし今治までその日の内に到達してしまうので、確かに人は増えたが、活性化とまではいかないのだそうだ。
反面、ヨーロッパからバカンスで来ているようなツーリストは途中の島々でのんびり過ごすらしい。
俺が泊まった昔ながらの民宿でも館内は英語の案内が充実していた。
まるで競輪選手のように...この言葉を象徴する出来事があった。
俺はサイクリストではなく只のツーリストなので、素敵な景色が目に入る度に自転車を押してのんびりと歩いたものだ。
すると後ろからやってきた日本人サイクリストが「大丈夫ですか?」と俺に声を掛けてくる。
大丈夫も何も俺はのんびり景色を楽しんでいるだけなのだが、彼らにしてみれば自転車を押していると体調不良やパンク等々...何か異常事態が発生しているように見えるようだ。
親切心からのことゆえ俺も怪訝な顔で対応はしなかったし、最後には礼も述べたが、あまりにそのような声掛けが続くと正直俺もだんだん鬱陶しくなってくる。
まるで競輪選手のように...とは、なるほどよく言ったものだと苦笑いするしかない。
27日
業務連絡:18yNZ
23日
今回、俺が猛暑の中しまなみ街道を自転車で渡る原動力となったもの、それは終着地点今治で名物のB級グルメ焼豚玉子飯を食うこと。
焼豚玉子飯とは白飯の上に焼き豚を敷き詰め、そこに甘辛いタレをかけた上に半熟の目玉焼きをトッピングした丼のこと。
数ある現地未食B級グルメの中でも俺が最も気になっていた一品といっていい。
入店〜生中一杯〜ニラレバ炒めでもう一杯〜焼豚玉子飯、こんなプランをペダルを漕ぎながら考えた。
その強い思いがどんなエナジードリンクよりも効いた。
最高に旨いビールを飲みたかったので、途中から水分補給を止めた。
危険な行為ではあるが、俺の食に対する情熱がそうさせる。
結果、今年で一番旨い生ビールが飲めた。
白楽天という焼豚玉子飯発祥の中華レストランではニラレバ炒めがメニューにないというアクシデントがあったものの、焼豚玉子飯大盛りと唐揚げのセットで十二分に満足できた。
何も考えずに頼んだ大盛りが凄まじい量だったのには一瞬面食らったが、普段から二郎系のラーメンで鍛えているので難なく完食できた。
日本全国の美味しいものを実際にその土地で食べる、という俺の夢がこれまたで一つ叶った。
またいつか今治チャレンジしたいものだ。
いや、今度は途中の島でもっとのんびりしてシュノーケリングなど楽しんでみたい。
今回は荷物になるからと持たずに行ったのだが、瀬戸内の島々でエメラルドブルーの海を見たときはかなり後悔した。
ちなみに、次に現地で食べてみたいものの筆頭は島根のどんちっちアジだ。
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16日
都会で暮らしていればコンビニという存在について「そにあって当たり前」、あるいは「こんなにたくさん要らんやろ」といったような感情しか抱かなかったが、今回、しまなみ街道を自転車で渡ってみてコンビニのありがたさを痛感した。
肌に突き刺さるような日差し、アップダウンによる体力の消耗と大量の汗。
よって喉の乾きも凄まじい。
そんな折、コンビニの看板が目に入った時の喜びがわかるだろうか?
しまなみ街道の途中の島々にコンビニがあるとさえ思っていなかったので、見慣れた看板を目にしたときの喜びと感動は凄かった。
スイカのかき氷を食べ、これだけでは全く乾きが癒えないので、次はカップ入りの氷とコーラ。
最高に旨かったな、あの一杯は。
ああ、コンビニとは本来こんなにもありがたい存在なのだ、と心に染みた。
この感動を胸に刻むべく、以来、スマホのメッセージ着信音をファミマの入店音に変えた。
なかなか気に入っているが、唯一、ファミマの店内にいるときだけは紛らわしいことこの上ない。
今年も盆休みは旅行などしない。
ニュージャパンサウナや神戸サウナでのんびり高校野球を見たり、あるいは調教依頼を楽しんだりして過ごしている。
最終日の日曜は映画ボディーガード〜寿司屋〜映画銀魂2〜どこか食事、の予定。
みなさんも素敵な夏休みを。
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9日
今回の旅では二泊目と四泊目は尾道に泊まったのだが、その際に食べまくったのが朱華園のラーメンとJOHNというハンバーガー屋。
朱華園のラーメンは、尾道ラーメンというくくりだけではなく今まで食べた全ラーメンの中で文句なしに五本の指に入る。
スープはもちろんのこと、背脂が美味しいラーメンというのは俺が知る限り朱華園だけだ。
尾道を訪れる人は必食。
JOHNというアメリカンスタイルのバーガー屋は昨今大阪や東京で増えている非チェーン系のバーガー店。
この系統の店の特徴は美味しく、食べにくく、かつ、高い。
フライドポテトが付いてノーマルバ−ガー1個1,480円などはよくあるパターン。
グラフトビールでも付けようものなら軽く2,000円を超える。
俺もハンバーガーは大好きだが、この値段では手軽に食べられない。
ところが尾道にあるJOHNは一番高いハンバーガーでも780円ときたもんだ。
味も悪くないどころか美味しい。
ハードに焼かれたパンズが噛むたびにサクサク音がするのもいい。
そんなわけで食べないと損モードに入ってしまい、朱華園共々滞在中3回も行ってしまった。
食べたのはJOHNバーガー2個、テリヤキバーガー2個、フィッシュバーガー2個、ダブルチーズバーガー2個。
どれも美味しかったな。
(注:俺の注文はいずれもケチャップ少な目で)
尾道には他にも気になる店が多々あるものの、次回も必ず行ってしまうのが今からでも既にわかる。
2日
しまなみ街道を巡るということで、今回の旅の起点は尾道。
俺の大好きな町だ。
ただ、尾道の町は未だかつてない程に人が少なかった。
土曜日の昼12時にして尾道ラーメンの超人気店朱華園の行列なし、つたふじの行列もなし。
これはありえない。
なぜこうなっているのかと言えば、西日本豪雨の影響だ。
広島方面から尾道へ行こうと思っても電車がまだ不通なのだ。
この影響もあって尾道の町はどこへ行っても空いていた。
ただ、久しぶりの尾道は以前にはなかった店が多く目に付いた。
カカオにこだわったチョコレート専門店、尾道焼きの店、定食屋、尾道ラーメン屋、等々。
以前は夜の久保地区は静まり返っていたが、今回は店も増え、多少人もいた。
中でも目立ったのがシルクロードというクラブなのかラウンジなのか、少なくともスナックとは呼べないゴージャスな店。
予算は潤沢なのでちょっと入ってみようとも思ったが、やはり俺は地元の人しか行かないようなちょっとしんみりした店で一杯飲む方が好きなので、やめた。
俺が入ったのは尾道焼きとホッピーのあるにしのや。
以前尾道を訪れた時には尾道焼きの「お」の字もなかったが、ご当地B級グルメということでここ最近プッシュしているのだろう。
要するに広島焼きの親戚のようなものだが、その最大の特徴は砂ズリが入っていること。
食べてみれば、まあ、普通に美味しい。
ちなみに久保地区というのは昔尾道が賑わっていた頃に遊郭のあった一帯のこと。
遊女が容易に逃げられないよう、一帯が細い迷路のような造りになっている。
今では昭和の風情を色濃く残す寂れた歓楽街だ。
店の呼び込みもなく、夜に一人でしんみりと散歩するのがよろしい。
ちょっとしたタイムスリップが楽しめる。