２８日
先日、未だかつてない程の腹痛があった。普通、腹痛と言えば下痢を伴うものであり、トイレで出してしまえば痛みも消えるものだが、先日のそれは便意がない。ただ腹が痛いだけ。これには困った。腹痛を理由に仕事を休む輩がいたりすると「そんなものが理由になるのか？」とずっと思ってきたが、なるほどこんな痛みであれば立っているのも不可能だ。とはいえ、ずっと痛いわけではなく、２，３分毎に強烈な痛みが襲ってくるというもので、「蠕動運動と関係があるのか．．．」などとあれこれ原因を考えている内に幸いにも眠ってしまった。次に起きたのは約１０時間後だ。常に枕元に置いてあるペットボトルの水を飲むと便意を感じたのでトイレに行くとすさまじい量の液状便。やはり下痢だったようだ。思い当たるのは、昨日、晩飯は痛くて食べられなかったし、朝飯と昼飯は食べておらず、胃に放り込んだといえばおやつ代わりに丸かじりした生にんじん一本のみだ。このにんじんが大当たりだったのか？あるいは、単によく噛まなかったということか。とにかく、よく寝たこともあり翌日は絶好調、おまけに空腹だったので飯の旨いこと旨いこと。腹痛こそあったものの俺の体は十分正常に機能しているようだ。ありがとう。
２５日
ペプシネックスを買いに閉店３０分前頃のスーパーに入ってみれば、売れ残った惣菜類に５０％引きのシールが貼られていた。これはラッキーとばかりにあれこれ物色した後、俺がカゴに入れたのは和歌山産の鯛の刺身４８０円とカキフライ３８０円（いずれも値引き前の値段）。カキフライは福井ヨーロッパ軒のソースをかけて食べるのが二番目に美味しい食べ方だ。ちなみに一番は手製タルタルソースだが、面倒なので作らず。鯛の刺身はそのまま食べても美味しそうだったが、俺がこれを選んだのは釜飯の具材にしようと思ったから。すなわち、釜飯風の鯛飯である。鯛飯といえば土鍋に鯛一匹を丸々放り込んで作るやつが定番だが、俺はそれを食べたことがなく、ならば刺身でも鯛飯を楽しめるのではないか、そう思ったわけだ。カキ醤油、みりん、酒で適当に味付けし、愛用している鳥貴族風釜飯器にセットして固形燃料に着火。カキフライや冷や奴で一杯やっていれば３０分など直ぐに経つ。のんびり飲み終わるまでしばらく放置した後に木蓋をオープン。鯛のいい香りが立ち上るではないか。皮や骨がなくてもしっかりと出汁は出るようだ。何より刺身であれば鯛のやっかいな小骨がないのがありがたい。茶碗に盛って山椒を少々。食べてみれば旨い、実に旨い。今度から鯛の刺身を５０％引きで見つけたら即釜飯やな。雑記に書いたような書いてないような、ホタルイカも多めの針生姜と共に釜飯にしてみたが、あれも上手かったな。旬を過ぎて再び高くなる前にもう一度食べておくとしよう。みんなも一度やってみ。コツなど特にないが、事前に目玉は取っておいた方がいい。
２１日
先日、普段はあまり使わない近所のもう一軒のスーパーで岸和田直送生しらすなるものを発見した。３００ｇで５８０円とある。淡路島で食べることを考えればかなり格安なこともあり、もう一度初夏の味覚を楽しもうと迷わず買って帰った。親父と二人で分けてもかなりの量があるので、だし醤油とポン酢で食べ比べしてみようと思ったが、試しにそのまま食べてみればこれでも十分にいける。というよりも、この方がおぼろな生しらすの味がはっきりとして良い。結局、全て何も付けずに食べた。味も量も大満足だ。近所のスーパーで手軽に買えるならばもう来年から生しらす丼を求めて淡路島へ行く必要もなくなったといえばなくなったので、こうなってみればいよいよ来年からは前々から気になっていた岩屋の林鮨に行くとしよう。路地裏にある小体な店だが、その面構えは絶対に外れなしのオーラを醸し出している。食べログによれば決して安くはないものの俺でも十分手が届く値段なので、淡路島の恒例行事も遂にステップアップだ。早くも楽しみでならない。
１８日
庭先で育ったパクチーを摘んでいると「こんにちは！！」と女性の声。振り向けば小学校高学年くらいの女の子だ。近所の子なのかそうでないのか、とにかく見知らぬ顔である。俺も目一杯の挨拶を返したが、何かと人の心がギスギスした昨今の世相にあってあまりの彼女の挨拶の清々しさに「お嬢ちゃん、パクチー要るか？」と喉元まで出かかった。けれども、パクチーは完全に大人の食材と言える。俺も今では大好きだが、昔はわざわざより分ける程に大嫌いだった。そんなことを１秒の内にあれこれ考えながら通り過ぎる彼女を見送った。Amazonで種を手に入れたパクチーだが、その後立派に成長して我が家の食卓を連日賑わせてくれている。昨日は醤油、酢、砂糖、にんにく、しょうがのユーリンチーダレに混ぜ込んで唐揚げと冷や奴に使った。これが実に旨い。上手に摘めばまたすぐに葉が生えてくるかもしれないので、できるだけ丁寧にやっているが、さて、いつまで食卓を賑わせてくれるのか興味津々である。
１４日
GW連休中盤に淡路島へ生しらす丼を食べに行った。これは毎年恒例のGW行事である。この行事がないと夏を迎えるのも不十分だ。その道中にてふと思ったこと。JR神戸線では三宮〜元町〜神戸〜兵庫という駅の並びになっているが、旅行者であればいささか混乱する駅名だろう。果たしてどの駅で降りたら最も繁華街なのか？兵庫は兵庫県の冠を得た名前であるし、神戸は神戸大阪京都三都物語などと派手に宣伝していたし、元町は言葉の響きそれ自体に期待させるものがある。結果、答えは関西人以外はあまり馴染みがないであろう三宮が繁華街の中心駅なのだが、唯一新快速が停車する駅でもあるので、まあ実際に来てみれば何となくわかるか。さて、淡路島の生しらす丼であるが、今年は２杯食べた。今年のGWは並びの良い５連休となっていたので、こうなると淡路島にはあまり人が来ないようだ。これは明石の街も同じこと。昨年は帰りに魚棚に寄ってみればイナゴの大群が去った後のように店々の陳列から商品が消えていたが、今年はまだまだ商品が溢れていた。それでもさすがに岩屋道の駅で生しらす丼を求める人々の列は例年の如く凄まじいものがあったが、ここの生しらす丼は鯛やらサーモンの刺身など余計なものが入っているのでダメだ。少し歩けば生しらすと卵の黄身だけのシンプルで素晴らしい一杯が今年は並ばずに食えるのだがな。俺はあまり事前に情報を仕入れるのを良しとしないが、知らないと損なこともある。淡路島〜明石〜元町中華街のコースがあまりに良かったので、夏が終わるまでにもう一度行ってみるつもりだ。
１１日
今年のGW前半は東京の老舗や名店と呼ばれる店に絞ってあれこれ食べ歩いたが、舌の喜びを越えてしみじみ心にまで響いて美味しいと思ったのは皮肉にも帰宅して食べた焼きウインナー、漬け物、味噌汁、白ご飯だ。この事実はいろいろなことを教えてくれる。例えば俺が大金持ちで１年３６５日贅沢三昧の食事ができるとしても、楽しいと思うのはせいぜい最初の１，２週間だろう。それを越えれば胃や心が欲するのは卵焼きと味噌汁と漬け物、あるいは鮭茶漬けだ。粗食があってこそ初めてご馳走も活きる。これは人生如何なることにも言えるだろう。労働があってこその休日、苦労があってこその喜び、不幸があってこその幸せ。何事も三昧はよくない。そういう意味においても今回の東京旅行はとてもいい勉強になった。
７日
GW怒濤の１２連休。さいまざまなプランが考えられたが、結局俺が連休最後を〆るに当たって選んだのは例によって福井だ。今回、連休前半では東あ京にいたのでなおさら福井の良さを痛感した。とにかく東京は人が多過ぎる。東京帰りでは大阪の繁華街でさえどこかしらゆったりと感じるくらいだ。いわんや福井では。越前蕎麦食べてだらだら、一杯飲んで更にだらだら。蕎麦一杯とお銚子２、３合で午後から閉店までくつろいだとしても受け入れてくれそうな店の雰囲気。今回、東京では名店と呼ばれる蕎麦屋にも行ったけれど、とても蕎麦屋酒を楽しもうというような雰囲気ではない。GWという特殊な時期とはいえ昼時を外しても長蛇の列。座ったら座ったで相席。全てが気ぜわしく、また落ち着かない。そんな中でもさすが名店と感心したのが浅草の尾張屋だ。俺の注文は日本酒一合と天ぷら蕎麦だったが、それを聞いた店員は「蕎麦は直ぐにお作りしてもよろしいですか？」と俺に訊ねてきた。とても混み合っている店内でのこの一言は客にとって実に嬉しいものだ。一緒に作ってもらったが、店員のその一言のおかげで店は混雑していたがそれなりに豊かなひとときを過ごすことができた。もう少し蕎麦の話を。今回、東京の蕎麦で最も俺的に良かったのは名店のそれではなく、新宿思い出横町で食べた３５０円の掻き揚げ蕎麦だ。小道を挟んだ隣の「カブト」でうなぎ料理を楽しんで店を出たら、〆に都合良く蕎麦屋があったので何気なく飛び込んだのだが、これが良かった。駅から少しばかり離れているのでこの店を駅蕎麦とは言い難いが、それでも俺はこの店をキングオブ駅蕎麦と言いたい。特に評価したいのが掻き揚げだ。店内のフライヤーで次々と揚げているのだが、店の回転が速い上に掻き揚げ蕎麦を注文する客が大半なので、揚げたてとまではいえないがそれなりの状態の掻き揚げが供される。かなり分厚いそれは小麦粉と玉ねぎが主体かと思いきや、とても３５０円とは思えない程に海老とイカの存在感がある。俺が今まで食べた駅蕎麦系掻き揚げ蕎麦の中ではタントツの一位である。駅蕎麦好きの方はぜひ足を運ばれたい。
４月から１０月くらいの時期の夜の散歩が好きだ。夜風が肌に心地良い。今回、忘れがたい夜の散歩があった。六本木交差点から麻布十番までのそれだ。夜の東京タワーがとても美しかった。東京の繁華街にもまだまだ静かな場所があるのだな。満腹により総本家更級蕎麦に寄れなかったのが心残りだが、しみじみと素敵な夜だった。